【源氏物語407 第13帖 明石69】美しい源氏に明石の上は自身の価値の低さが思われて悲しい。塩を焼く煙、秋風の中できく淋しい波の音‥秋の風景は物悲しい。

あふれるような愛を持って、 涙ぐみながら将来の約束を女にする源氏を見ては、 これだけの幸福をうければもうこの上を願わないで あきらめることもできるはずであると思われるのであるが、 女は源氏が美しければ美しいだけ 自身の価値の低さが思われて悲しいのであった。 秋風の中で聞く時にことに寂しい波の音がする。 塩…