【源氏物語415 第13帖 明石77】入道は国境まで送ると言う。源氏は名残惜しさに涙を拭う。美しい源氏に入道も気が遠くなったように萎れてしまった。

世をうみに ここらしほじむ 身となりて なほこの岸を えこそ離れね 子供への申しわけにせめて国境まではお供をさせていただきます」 と入道は言ってから、 「出すぎた申し分でございますが、 思い出しておやりくださいます時がございましたら 御音信をいただかせてくださいませ」 などと頼んだ。 悲しそうで目のあたりの赤…