源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
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【源氏物語416 第13帖 明石78】明石の君は悲しみに沈みきっている。捨てていく恨めしい源氏が、また恋しく泣き続けている。母の夫人もなだめかねていた。
それきり起居《たちい》もよろよろとするふうである。 明石の君の心は悲しみに満たされていた。 外へは現わすまいとするのであるが、 自身の薄倖《はっこう》であることが悲しみの根本になっていて、 捨てて行く恨めしい源氏が また恋しい面影になって見えるせつなさは、 泣いて僅かに洩《も》らすほかはどうしようもない…