【源氏物語420 第13帖 明石82】源氏は、2年半の間にさらに美しくなった紫の上に会えた。しかし別離を悲しんだ明石の君を可哀想に思いやられた。

紫夫人も生きがいなく思っていた命が、 今日まであって、 源氏を迎ええたことに満足したことであろうと思われる。 美しかった人のさらに完成された姿を 二年半の時間ののちに源氏は見ることができたのである。 寂しく暮らした間に、あまりに多かった髪の量の 少し減ったまでもがこの人をより美しく思わせた。 こうしてこの…