【源氏物語421 第13帖 明石83】源氏は紫の上に明石の君のことを話した。女王は「身をば思はず」などと儚そうに言っているのを美しく可憐に思った。

源氏は夫人に明石の君のことを話した。 女王はどう感じたか、 恨みを言うともなしに「身をば思はず」百人一首 38番 右近の和歌 (忘らるる身をば思はず誓ひてし人の命の惜しくもあるかな) などとはかなそうに言っているのを、 美しいとも可憐《かれん》であるとも源氏は思った。 見ても見ても見飽かぬこの人と別れ別れに…