【源氏物語433 第14帖 澪標7】朱雀帝は譲位され、承香殿の女御の皇子が東宮に。源氏は内大臣。摂政は致仕の左大臣にお譲りになった。

この同じ月の二十幾日に譲位のことが行なわれた。 太后はお驚きになった。 「ふがいなく思召すでしょうが、 私はこうして静かにあなたへ御孝養がしたいのです」 と帝はお慰めになったのであった。 東宮には承香殿《じょうきょうでん》の女御のお生みした皇子が お立ちになった。 すべてのことに新しい御代《みよ》の光の見…