【源氏物語436 第14帖 澪標10】源氏は葵上の父母をよく訪ねた。そして源氏は、今まで忠実に勤めてきたもの達に報いた。中将、中務 愛しんだ女性達も大切にした。

源氏は今も昔のとおりに老夫妻に好意を持っていて 何かの場合によく訪《たず》ねて行った。 若君の乳母 そのほかの女房も長い間そのままに勤めている者に、 厚く酬《むく》いてやることも源氏は忘れなかった。 幸せ者が多くできたわけである。 二条の院でもそのとおりに、 主人を変えようともしなかった女房を源氏は好遇し…