【源氏物語439 第14帖 澪標13】自分から后が生まれると言うことが明石のしらせと符合する。后になる姫君を京に呼ぼうと思い 東の院の建築を急がせていた。

源氏は相人の言葉のよく合う実証として、 今帝の御即位が思われた。 后《きさき》が一人自分から生まれるということに 明石の報《しら》せが符合することから、 住吉《すみよし》の神の庇護《ひご》によって あの人も后の母になる運命から、 父の入道が自然片寄った婿選びに 身命を打ち込むほどの狂態も見せたのであろう。…