【源氏物語441 第14帖 澪標15】源氏は明石の姫君の乳母の家に寄った。訪問により宣旨の娘(乳母)の気持ちは固まった。源氏は冗談を言い、女は冷やかした。

外出したついでに源氏はそっとわが子の新しい乳母の家へ寄った。 快諾を伝えてもらったのであるが、 なお女はどうしようかと煩悶《はんもん》していた所へ 源氏みずからが来てくれたので、 それで旅に出る心も慰んで、 あきらめもついた。 「御意のとおりにいたします」 と言っていた。 ちょうど吉日でもあったのですぐに…