【源氏物語447 第14帖 澪標21】離れていた日々を思い、どれほど悲しかったことかと思い出していた源氏は、紫の上に比べると それほどの恋愛でないと思われた。

どんなにこの人が恋しかったろうと別居時代のことを思って、 おりおり書き合った手紙に どれほど悲しい言葉が盛られたものであろうと思い出していた源氏は、 明石の女のことなどはそれに比べて命のある恋愛でもないと思われた。 「子供に私が大騒ぎして使いを出したりしているのも 考えがあるからですよ。 今から話せばま…