【源氏物語449 第14帖 澪標23】源氏は 明石の姫君の五十日《いか》の祝いを思いやる。源氏は その日に合わせて華奢な祝い品、さまざまな実用品を贈った。

五月の五日が五十日《いか》の祝いにあたるであろうと 源氏は人知れず数えていて、その式が思いやられ、 その子が恋しくてならないのであった。 紫の女王に生まれた子であったなら、 どんなにはなやかにそれらの式を 自分は行なってやったことであろうと残念である。 あの田舎で父のいぬ場所で生まれるとは 憐《あわ》れな…