【源氏物語451 第14帖 澪標25】乳母は、京や宮廷、源氏の立場を始終話した。別れた後も好意を寄せ 姫を大切にしてくれる源氏を思い 自分が幸福だと思うようになった。

入道の身分に近いほどの家の女《むすめ》も ここに来て女房勤めをしているようなのが幾人かはあるが、 それがどうかといえば 京の宮仕えに磨《す》り尽くされたような年配の者が 生活の苦から脱《のが》れるために田舎下りをしたのが多いのに、 この乳母はまだ娘らしくて、 しかも思い上がった心を持っていて、 自身の見た…