【源氏物語459 第14帖 澪標33】源氏は朧月夜の君を恋しく思っていた。懲りずに危ないことをしかねないほど熱心になっているが、女君は昔のように誘惑に乗らない。

源氏は今も尚侍《ないしのかみ》を恋しく思っていた。 懲りたことのない人のように、 また危《あぶな》いこともしかねないほど熱心になっているが、 環境のために恋には奔放な力を見せた女もつつましくなっていて、 昔のように源氏の誘惑に反響を見せるようなこともない。 源氏は自身の地位ができて世の中が窮屈になり、冷…