【源氏物語462 第14帖 澪標36】源氏は大后にも好意のある計らいをしていた。兵部卿の宮へは、紫の上に 冷淡であったことを恨めしく思い 昔のような付き合いは無くなった。

皇太后は人生を恨んでおいでになった。 何かの場合に源氏はこの方にも好意のある計らいをして 敬意を表していた。 太后としてはおつらいことであろうとささやく者が多かった。 兵部卿《ひょうぶきょう》親王は 源氏の官位剥奪《はくだつ》時代に冷淡な態度をお見せになって、 ただ世間の聞こえばかりをはばかって、 御娘に…