【源氏物語464 第14帖 澪標38】源氏は住吉詣をした。華やかで大掛かりな旅になった。丁度その日は、明石の君も参詣で船で住吉に来ていた。源氏の華やかな姿を見て、我が身の上を嘆いた。

この秋に源氏は住吉詣《すみよしもう》でをした。 須磨《すま》、 明石《あかし》で立てた願《がん》を 神へ果たすためであって、 非常な大がかりな旅になった。 廷臣たちが我も我もと随行を望んだ。 ちょうどこの日であった、 明石の君が毎年の例で参詣するのを、 去年もこの春も障《さわ》りがあって 果たすことのできな…