【源氏物語465 第14帖 澪標39】加茂の大神を恨んだ右近丞(空蝉の夫 伊予介の息子)は随身を連れ蔵人に、良清は靭負佐になって華やかな赤い袍であった。

さすがによそながら巡り合うだけの宿命に つながれていることはわかるのであったが、 笑って行った侍さえ幸福に輝いて見える日に、 罪障の深い自分は何も知らずに来て 恥ずかしい思いをするのであろうと思い続けると 悲しくばかりなった。 深い緑の松原の中に花紅葉が撒《ま》かれたように見えるのは 袍《ほう》のいろいろ…