【源氏物語483 第14帖 澪標57】言葉をかけながら源氏が床を覗こうとするので、御息所は女房に別れの言葉を伝えさせた。

「私が伺ったので 少しでも御気分がよくなればよかったのですが、 お気の毒ですね。どんなふうに苦しいのですか」 と言いながら、 源氏が牀《とこ》をのぞこうとするので、 御息所は女房に別れの言葉を伝えさせた。 「長くおいでくださいましては 物怪《もののけ》の来ている所でございますから お危うございます。 病気の…