【源氏物語491 第14帖 澪標65】他の恋人たちの中に混じって劣る方でもないらしい宮のお顔を見たいと思う源氏。前斎宮の入内の希望は人には言わないほうがいいと思った。

自分の心に潜在している望みが実現されることがあっても、 他の恋人たちの中に 混じって劣る人ではないらしいこの人の顔を見たいものであると、 こんなことも思っている源氏であったから、 養父として打ちとけない人が聡明《そうめい》であったのであろう。 自身の心もまだどうなるかしれないのであるから、 前斎宮を入内…