【源氏物語 492 第14帖 澪標66】六条邸は日がたつにしたがって寂しくなり、心細さがふえてくる上に、御息所の女房なども次第に下がって行く者が多くなった。

六条邸は日がたつにしたがって寂しくなり、 心細さがふえてくる上に、 御息所《みやすどころ》の女房なども 次第に下がって行く者が多くなって、 京もずっと下《しも》の六条で、 東に寄った京極通りに近いのであるから、 郊外ほどの寂しさがあって、 山寺の夕べの鐘の音にも斎宮の御涙は誘われがちであった。 花影 writte…