夕顔と頭中将との姫君を引き取ることを望む源氏【源氏物語53 第4帖 夕顔19】夕顔の思い出を話す右近。 砧の音さえ恋しく思う源氏

小さい子を一人 行方不明にしたと言って 中将が憂鬱《ゆううつ》になっていたが、 そんな小さい人があったのか」 と問うてみた。 「さようでございます。一昨年の春お生まれになりました。 お嬢様で、とてもおかわいらしい方でございます」 「で、その子はどこにいるの、 人には私が引き取ったと知らせないようにして 私に…