空蝉と軒端荻に手紙を出す源氏【源氏物語 54 第5帖 夕顔20】 伊予に同行する空蝉は源氏に便りを出す📨 源氏はどちらにも心惹かれる

今も伊予介の家の小君は 時々源氏の所へ行ったが、 以前のように源氏から手紙を託されて来るようなことがなかった。 自分の冷淡さに懲りておしまいになったのかと思って、 空蝉《うつせみ》は心苦しかったが、 源氏の病気をしていることを聞いた時にはさすがに歎《なげ》かれた。 それに夫の任国へ伴われる日が近づいてく…