【源氏物語505 第15帖 蓬生5】よそへ移ろうという女房の言葉も「恐い気がするほど荒れていても、お父様の魂が残っていると思う点で心が慰むのだ」という末摘花。

まだ少しばかり残っている女房は、 「これではしようがございません。 近ごろは地方官などがよい邸を自慢に造りますが、 こちらのお庭の木などに目をつけて、 お売りになりませんかなどと近所の者から言わせてまいりますが、 そうあそばして、 こんな怖しい所はお捨てになってほかへお移りなさいましよ。 いつまでも残って…