源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
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【源氏物語517 第15帖 蓬生17】冬になり末摘花は悲しく物思いの日々である。兄の禅師は源氏の八講に招かれたが、自分を尋ねることもなかったことに 望みがないと思うようになった。
冬にはいればはいるほど頼りなさはひどくなって、 悲しく物思いばかりして暮らす女王だった。 源氏のほうでは故院のための盛んな八講を催して、 世間がそれに湧《わ》き立っていた。 僧などは平凡な者を呼ばずに 学問と徳行のすぐれたのを選んで招じたその物事に、 女王の兄の禅師も出た帰りに妹君を訪《たず》ねて来た。 …