【源氏物語523 第15帖 蓬生23】末摘花の姫君と侍従は二人で歌を交わした。姫君は非常に泣き、侍従は命ある限り誠意を誓った。

「絶ゆまじき すぢを頼みし 玉かづら思ひの ほかにかけ離れぬる 死んだ乳母《まま》が遺言したこともあるからね、 つまらない私だけれど一生あなたの世話をしたいと思っていた。 あなたが捨ててしまうのももっともだけれど、 だれがあなたの代わりになって私を慰めてくれる者があると思って 立って行くのだろうと思うと恨…