源氏物語&古典🪷〜笑う門には福来る🌸少納言日記🌸
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【源氏物語526 第15帖 蓬生26】荒れた大木が森のような邸の前に来た。末に藤がかかり、月の光に花がなびき その香が懐かしい。常陸宮の屋敷だと気づく。
車の中の源氏は昔をうつらうつらと幻に見ていると、 形もないほどに荒れた大木が 森のような邸《やしき》の前に来た。 高い松に藤がかかって月の光に花のなびくのが見え、 風といっしょにその香がなつかしく送られてくる。 橘《たちばな》とはまた違った感じのする花の香に心が惹かれて、 車から少し顔を出すようにしてな…