【源氏物語531 第15帖 蓬生31】廃邸じみた家に一人寂しく待っていただろう末摘花を思うと、源氏は自分が冷酷であったと反省した。源氏は姫君を訪ねる事にした。

「そんなふうにして、やっと人間を発見したのでございます。 侍従の叔母《おば》で少将とか申しました老人が 昔の声で話しました」 惟光はなお目に見た邸内の様子をくわしく言う。 源氏は非常に哀れに思った。 この廃邸じみた家に、どんな気持ちで住んでいることであろう、 それを自分は今まで捨てていたと思うと、 源氏は…