【源氏物語219 第十帖 賢木31】源氏の恐ろしいほど真剣な恋心に戸惑う宮。源氏は御所にもいかず引きこもり 魂もどこかへ行っているようである。

「逢ふことの 難《かた》きを今日に 限らずば なほ幾世をか歎《なげ》きつつ経ん どうなってもこうなっても 私はあなたにつきまとっているのですよ」 宮は吐息《といき》をおつきになって、 長き世の 恨みを人に 残しても かつは 心をあだとしらなん とお言いになった。 源氏の言葉を わざと軽く受けたようにしておいでに…