【源氏物語537 第15帖 蓬生37】常陸宮に贈るのは 源氏自身が何かと指図をして細やかに支援をし、屋敷の手入れなどもさせた。

賀茂祭り、斎院の御禊《ごけい》などのあるころは、 その用意の品という名義で諸方から源氏へ送って来る物の多いのを、 源氏はまたあちらこちらへ分配した。 その中でも常陸の宮へ贈るのは、 源氏自身が何かと指図《さしず》をして、 宮邸に足らぬ物を何かと多く加えさせた。 親しい家司《けいし》に命じて下男などを 宮家…