【源氏物語309 第12帖 須磨43】朧月夜の君は世間から嘲笑的に注視され 辛い立場であるが、帝の寵愛は深い。妃ではなく女官長の立場ということで 宮中に戻った。

尚侍《ないしのかみ》は 源氏の追放された直接の原因になった女性であるから、 世間からは嘲笑的に注視され、 恋人には遠く離れて、 深い歎《なげ》きの中に溺れているのを、 大臣は最も愛している娘であったから憐《あわ》れに思って、 熱心に太后へ取りなしをしたし、 帝へもお詫びを申し上げたので、 尚侍は公式の女官…