【源氏物語550 第17帖 絵合3】源氏は、朱雀院が恋した前斎宮を冷泉帝の後宮に入れたことを申し訳ないと考え込んでいた。

閑暇《かんか》な地位へお退《の》きになった現今の院は、 何事もなしうる主権に離れた寂しさというようなものを お感じにならないであろうか、 自分であれば 世の中が恨めしくなるに違いないなどと思うと心が苦しくて、 何故女王を宮中へ入れるようなよけいなことを自分は考えついて 御心《みこころ》を悩ます結果を作っ…