【源氏物語551 第17帖 絵合4】宮は美しい院が別れを惜しんでお泣きになるのを乙女心にもおいたわしく思ったことが目の前に浮かんだ。

「この御返歌はどうなさるだろう、 またお手紙もあったでしょうが お答えにならないではいけないでしょう」 などと源氏は言ってもいたが、 女房たちはお手紙だけは源氏に見せることをしなかった。 宮は気分がおすぐれにならないで、 御返歌をしようとされないのを、 「それではあまりに失礼で、 もったいないことでござい…