高麗人《こまうど》の観相【源氏物語 第1帖 桐壺 8の2】鴻臚館にて皇子の相を観てもらう。帝は、将来を考え源氏の姓を賜ることにした。

その時分に高麗人《こまうど》が来朝した中に、上手《じょうず》な人相見の者が混じっていた。帝はそれをお聞きになったが、宮中へお呼びになることは亭子院のお誡《いまし》めがあっておできにならず、だれにも秘密にして皇子のお世話役のようになっている右大弁《うだいべん》の子のように思わせて、皇子を外人の旅宿す…