【源氏物語564 第17帖 絵合17】伊勢と正三位が合わされた。この論争も一通りでは済まなかったが、女院は左方の肩をお持ちになる。

次は伊勢《いせ》物語と正三位《しょうさんみ》が合わされた。 この論争も一通りでは済まない。 今度も右は見た目がおもしろくて刺戟的で宮中の模様も描かれてあるし、 現代に縁の多い場所や人が写されてある点でよさそうには見えた。 平典侍が言った。 「伊勢の海の 深き心をたどらずて ふりにし跡と波や消つべき ただの…