【源氏物語569 第17帖 絵合22】今日の絵合せは、芸術に造詣の深い太宰帥《だざいのそつ》の宮が、審判役を下命された。

右は沈の木の箱に 浅香《せんこう》の下机《したづくえ》、 帛紗は青地の高麗錦《こうらいにしき》、 机の脚《あし》の組み紐の飾りがはなやかであった。 侍童らは青色に柳の色の汗袗《かざみ》、 山吹襲《やまぶきかさね》の袙《あこめ》を着ていた。 双方の侍童がこの絵の箱を御前に据《す》えたのである。 源氏の内大臣…