【源氏物語577 第18帖 松風1】東の院が落成したので 花散里をはじめ夫人達を源氏は移らせた。中央の寝殿は源氏が休憩したり客を招いたりした。

東の院が美々しく落成したので、 花散里《はなちるさと》といわれていた夫人を源氏は移らせた。 西の対から渡殿《わたどの》へかけてをその居所に取って、 事務の扱い所、家司《けいし》の詰め所なども備わった、 源氏の夫人の一人としての体面を 損じないような住居《すまい》にしてあった。 東の対には明石の人を置こう…