【源氏物語588 第18帖 松風12】明石入道は、これが永遠の別れになること、自分が煙になる夕べまで 姫君の幸せを祈ることだろうと 自分の心のうちを伝える。

思いがけず源氏の君を婿に見る日が来たのであるが、 われわれには身分のひけ目があって、 よいことにも悲しみが常に添っていた。 しかし姫君がお生まれになったことで 私もだいぶ自信ができてきた。 姫君はこんな土地でお育ちになってはならない 高い宿命を持つ方に違いないのだから、 お別れすることがどんなに悲しくても…