【源氏物語597 第18帖 松風21】「荒磯かげに心苦しく存じました二葉の松も いよいよ頼もしい未来が思われます日に到達いたしましたが‥」と言うものの、生母の身分がさわりにならぬかと心配する尼君

「一度捨てました世の中へ帰ってまいって 苦しんでおります心も、お察しくださいましたので、 命の長さもうれしく存ぜられます」 尼君は泣きながらまた、 「荒磯《あらいそ》かげに心苦しく存じました二葉《ふたば》の松も いよいよ頼もしい未来が思われます日に到達いたしましたが、 御生母がわれわれ風情の娘でございま…