🪷【源氏物語568 第18帖 松風32】紫の上が、明石の上への手紙を見ようともしないのを見て、「見ないようにしていて、目のどこかであなたは見ているじゃありませんか」と溢れるような愛嬌で話しかける源氏。

その晩は御所で宿直《とのい》もするはずであるが、 夫人の機嫌《きげん》の直っていなかったことを思って、 夜はふけていたが源氏は夫人をなだめるつもりで帰って来ると、 大井の返事を使いが持って来た。 隠すこともできずに源氏は夫人のそばでそれを読んだ。 夫人を不愉快にするようなことも書いてなかったので、 「こ…