【源氏物語573 第19帖 薄雲4】明石の尼君は、「母親の身分次第で 子どもの人生は変わる。あなたは母として姫君の最も幸福になることを考えなければならない」と 姫君を手放しがたい明石の上を説得する。

しかしまた気がかりでならないことであろうし、 つれづれを慰めるものを失っては、自分は何によって日を送ろう、 姫君がいるためにたまさかに訪ねてくれる源氏が、 立ち寄ってくれることもなくなるのではないかとも煩悶《はんもん》されて、 結局は自身の薄倖《はっこう》を悲しむ明石であった。 尼君は思慮のある女であっ…