【源氏物語 574 第19帖 薄雲5】賢い人に聞いて見ても、占いをさせてみても、二条の院へ渡すほうに姫君の幸運があるとばかり言われて、明石の上は子を放すまいと固執する力が弱って行った。

賢い人に聞いて見ても、占いをさせてみても、 二条の院へ渡すほうに姫君の幸運があるとばかり言われて、 明石は子を放すまいと固執する力が弱って行った。 源氏もそうしたくは思いながらも、 女の気持ちを尊重してしいて言うことはしなかった。 手紙のついでに、袴着の仕度にかかりましたかと書いた返事に、 何事も無力な…