【源氏物語581 第19帖 薄雲12】明石姫君の袴着の式が行われた。姫君が袴の紐を互いちがいに襷形《たすきがた》に胸へ掛けて結んだ姿がいっそうかわいく見えた。

袴着《はかまぎ》は たいそうな用意がされたのでもなかったが 世間並みなものではなかった。 その席上の飾りが雛《ひな》遊びの物のようで美しかった。 列席した高官たちなどはこんな日にだけ来るのでもなく、 毎日のように出入りするのであったから目だたなかった。 ただその式で姫君が 袴の紐《ひも》を互いちがいに 襷…