【源氏物語587 第19帖 薄雲18】源氏は、明石の上の山荘でくつろいで過ごしている。明石の上は、飽かれぬために 地理的に不便で、特に思い立って来なければならぬ所にいるのが自分の強味と思っている。

源氏は姫君の様子をくわしく語っていた。 大井の山荘も源氏にとっては愛人の家にすぎないのであるが、 こんなふうにして泊まり込んでいる時もあるので、 ちょっとした菓子、強飯《こわいい》というふうな物くらいを 食べることもあった。 自家の御堂《みどう》とか、 桂《かつら》の院とかへ行って定まった食事はして、 貴…