【源氏物語588 第19帖 薄雲19】太政大臣が薨去した。国家の柱石であった人であるから帝もお惜しみになった。すべてをその人に任せていたので、死別の悲しみのほかに 責任の重くなることを痛感した。

明石の入道も今後のいっさいのことは 神仏に任せるというようなことも言ったのであるが、 源氏の愛情、娘や孫の扱われ方などを知りたがって 始終使いを出していた。 報《しら》せを得て胸のふさがるようなこともあったし、 名誉を得た気のすることもあった。 この時分に太政大臣が薨去《こうきょ》した。 国家の柱石であっ…