【源氏物語590 第19帖 薄雲21】藤壺の女院は御重体におなりになった。今年は三十七歳とはいえ、お若くお見えになって まだ盛りの御容姿をお持ちあそばれるのであるから、帝は惜しく悲しく思召された。

女院は今年の春の初めから ずっと病気をしておいでになって、 三月には御重体にもおなりになったので、 行幸などもあった。 陛下の院にお別れになったころは御幼年で、 何事も深くはお感じにならなかったのであるが、 今度の御大病については 非常にお悲しみになるふうであったから、 女院もまたお悲しかった。 「今年はき…