【源氏物語592 第19帖 薄雲23】女院は危篤状態に。源氏は、あらゆる神仏に頼んで宮のお命をとどめようとした。初恋以来の心を告げることが、この際になるまで果たしえないことを源氏は非常に悲しく思う。

源氏は一廷臣として太政大臣に続いて また女院のすでに危篤状態になっておいでになることは 歎《なげ》かわしいとしていた。 人知れぬ心の中では無限の悲しみをしていて、 あらゆる神仏に頼んで 宮のお命をとどめようとしているのである。 もう長い間禁制の言葉としておさえていた 初恋以来の心を告げることが、 この際に…