【源氏物語595 第19帖 薄雲26】すぐれた御人格の宮は、民衆のためにも大きな愛を持っておいでになった。世の中の人は皆 女院をお惜しみして泣いた。殿上の人も皆 真黒な喪服姿になって寂しい春であった。

力を落として深い悲しみに浸っていた。 尊貴な方でもすぐれた御人格の宮は、 民衆のためにも大きな愛を持っておいでになった。 権勢があるために知らず知らず一部分の人を しいたげることもできてくるものであるが、 女院にはそうしたお過《あやま》ちもなかった。 女院をお喜ばせしようと当局者の考えることも それだけ国…