【源氏物語600 第19帖 薄雲31】帝は、女院と源氏の君の秘密を他に知った者はいないかと お聞きになった。僧都は、「‥私と王命婦以外にこの秘密をうかがい知った者はございません。」と答えた。

何とも仰せがないので、 僧都は進んで秘密をお知らせ申し上げたことを 御不快に思召すのかと恐懼《きょうく》して、 そっと退出しようとしたのを、 帝はおとどめになった。 「それを自分が知らないままで済んだなら 後世《ごせ》までも罪を負って行かなければならなかったと思う。 今まで言ってくれなかったことを 私はむ…