【源氏物語605 第19帖 薄雲36】皇子の源氏になった人が 即位される例は幾つもあった。りっぱな人格を尊敬することに託して、自分は源氏に位を譲ろうかとも思召すのであった。

帝は王命婦にくわしいことを尋ねたく思召したが、 今になって女院が秘密を秘密とすることに苦心されたことを、 自分が知ったことは命婦にも思われたくない、 ただ大臣にだけほのめかして、 歴史の上にこうした例があるということを 聞きたいと思召されるのであったが、 そうしたお話をあそばす機会がお見つかりにならない…