【源氏物語613 第19帖 薄雲44】源氏は、女御に「春と秋とどちらかお好きか」と尋ねる。女御は、「秋が 亡くなった母(六条御息所)を思い出される時になっており 特別な気がする」とお答えになる。

「人聞きのよい人生の望みなどはたいして持ちませんが、 四季時々の美しい自然を生かせるようなことで、 私は満足を得たいと思っています。 春の花の咲く林、秋の野のながめを 昔からいろいろに優劣が論ぜられていますが、 道理だと思って、 どちらかに加担のできるほどのことはまだだれにも言われておりません。 支那《し…