【源氏物語629 第20帖 朝顔11】朝顔の姫君と源氏が似合いの縁であるという世間の噂に 源氏の愛がうつってしまったら自分は惨めであろうと 辛い気持ちになる。

初めの態度はどこまでもお続けになる朝顔の女王の 普通の型でない点が、 珍重すべきおもしろいことにも思われてならない源氏であった。 世間はもうその噂《うわさ》をして、 「源氏の大臣は前斎院に御熱心でいられるから、 女五の宮へ御親切もお尽くしになるのだろう、 結婚されて似合いの縁というものであろう」 とも言う…